理想のミックスカラーのニット

バッグを買って靴を買ってニットを買った話である。買いすぎである。でも買い物の話はとっても楽しい。どうかここだけでこっそり書かせてほしい。

言い訳をするなら、妊娠中の1年と産後1年はほとんど自分の買い物をしなかった。無職だったし妊娠中はお腹が出るし体はぶくぶく太って、ユニクロGUで最低限の衣類を買っていた。服がとってもつまらなかった。

出産してがらっと生活が変わった。妊娠前に着ていたスカートやスキニーは履けなくなってまとめて手放したことをきっかけに、うわーっと勢いで手持ちの服のほとんどをメルカリや買取サービスで売ってしまった。

これからはもう本当に好きなものを少しだけ持って長く大事にしようと決めて、10年(いや20年)愛せると思ったものは買っていいルールにしている。出費はかさむけど初期投資、初期投資と自分に言い聞かせている。

そして本題なのだけど、ミックスカラーが昔から異常に好きだ。色々な糸を編み込んだぱっと見て何色かわからない色合いになぜかすごくときめく。

最初は高校生のときに買ったPOU DOU DOUのニットだった。

大学生の時もずっと着ていて写真はたいていこの服で写っている。多分擦り切れるまで着たのだけど手放したあとすごい後悔した。

その後、夫にプレゼントした靴下もミックスカラーだったし、

結婚したばかりの頃に買ったランチョンマットも、「絶対これがいい!」と夫に言ってコンランショップに買いに行った。

『エミリーパリへ行く』でもミックスカラーのニットかカットソーが出てきてどこのものかずっと気になっている。

理想のミックスカラーは難しい。特定の色が強すぎず、ぱっと見てなに色かわからないぐらい色が混ざり合っているものがいい。

何色と言えないからネットで探すのが難しく、高校生のときに買ったPOU DOU DOUをもう一度メルカリで探しまわろうか、とも思っていたがついに理想のミックスカラーに出会えた!マルティニークで!

あーこの混ざり合った色合いが最高なのよー!

元々はウエストゴムのテーパードパンツを試着するためにお店に行ったのだけど、このニットをマネキンが白シャツの上に重ねているのを見た瞬間に「理想のミックスカラーや!」と内心大興奮。試着したらサイズもちょうどよく、これは私が買わずしてどうすると自問自答して購入を決めた。3月、4月のおでかけはいつも着ていた。もう暑くなってきたからニットは厳しいけど、この綺麗な色がクローゼットにあるだけで嬉しくなる。

マルティニークの洋服を買うのは初めてなのだけど、このニットはl'heritage(レリタージュ) martiniqueというブランドのものらしい。コンセプトを調べたらとても良かった。

「l'heritage」が目指すべく姿は消費するのではなく
「受け継ぐ・継承する」事だと考えています。

「l'heritage」では、マルティニークのベースとなる
ネクスト ヴィンテージ”をキーワードに
クオリティとクリエーションを追及し
それが色褪せる事のない「新しいスタンダード」となり
やがて世代を越えて受け継がれていく事を願っています。

服を選ぶのは難しい。世の中には膨大な服があって途方にくれそうになる。それでも時々ああこれはずっと好きだと思えるものがあってそれが私にとってのマルティニークのニットだった。そういうものをこれからも丁寧に選んでいきたい。