苦い思い出

NHKで4夜連続ドラマの「青春のリグレット」を見た。夫と夫婦関係が破綻しかけている主人公が夫とやり直すために旅行に誘い、そこで昔付き合っていた男性のことを思い出していく話。恋愛の終わりの方の気まずさがとてもリアルに描かれていた。

ドラマの中では昔付き合っていた相手と再会する。そこで過去を笑い合いながら会話して、別れた当時ほんとはどう思ってたのか答え合わせもする。友達になるとかそんな感じでは全然ないのだけど、二人とも誠実そうで理想の人間関係の終わり方な気がした。

自分の数少ない恋愛経験の中で、私も付き合っていた相手ともう終わりかけている時に旅行に行ったことがある。道中の車の中でも会話はほぼ無く、無言で夕食を食べ、大浴場に別々に行って、お風呂から上がったら相手はもう寝ていた。朝、一人で早起きして外を散歩しながらもうこれは本当に終わりだと実感し、帰りの車の中も無言で、駅まで送ってもらって「じゃあね」と言ったあとLINEをブロックしたのだった。別に思い出したくもないことがうっかりよみがえってしまった。

それでまた思い出したのだけど、私の数少ない恋愛経験の中で、私は過去に一度も別れ話をしたことがない。別れる気配を感じたらLINEをブロックしたり連絡手段を絶ってしまうからだ。SNSもブロックして削除してきた。だからもう誰とも連絡をとれないし近況も知らない。別に会いたいとも思わないけど、そうやって人間関係を雑に断ち切ってきたのは自分なのだと痛感した。

ドラマの原作小説が綿矢りさだったので気になって早速図書館で借りた。