休日出勤した時の日記

どうしても進めておかないといけない仕事があって泣く泣く休日出勤した。フロアは私一人だけで誰も来る気配がなかったから、プライムミュージックから椎名林檎の曲を検索してスマホで流しながらパソコンに向かった。何曲か流れたあとで、宇多田ヒカル椎名林檎の「2時間だけのバカンス」が流れてきた。聴いてすぐ不倫の歌だと思った。お洒落なメロディとともに歌われるやけに直接的な歌詞にうろたえてしまってそれから何度もリピートした。俵万智の短歌「焼き肉とグラタンが好きという少女よ私はあなたのお父さんが好き」を初めて見た時のぎょっとした感じを思い出した。

もちろん不倫はシロかクロかで言ったらクロだし社会的にもしない方がいいのだけど、人の気持ちを縄でつなぎとめておくこともできないわけで、そういう弱さもあっていいんじゃないのと宇多田ヒカルは歌う。とても明るく、軽快なメロディで。そのことに動揺してしまった。

夫のことは好きで、子どものことも大好きでたまらなくて、でもふっとそっちへいってしまうかもしれない、気持ちがもっていかれてしまうかもしれない、そういう怖さとみんなどう付き合ってるんだろうと思う。夫もまたその可能性がゼロではない。夫のことが好きだから夫の意思を尊重しなければと思う。だから私は結婚する時、絶対に仕事は辞めないでおこうと決めていたんだった。今もそう思い続けている。

そういうことを女友達と話してみたい気もするけど、たぶん話せないし話してもらえることもないだろうし、こっそりここに書いておく。

帰りに花屋さんで買ってきたさつま杉に飾りをぶら下げて、ささやかなクリスマス支度をした。